6月末、宮崎協力協会(以下、Moca)の総会にお越しいただきありがとうございます。
なぜレオナルド・ダ・ビンチのダビデ像は美しく、何百年も評価されているのか、と先輩から教えてもらったことがあります。
ゴリアテを倒したから輝いている、とお思いの人が多いが、
実際は、ゴリアテを倒す直前の姿だから、輝いているのだ
ここから言えることは、人間は何かを成し遂げた後が輝くのではなく、
挑戦する直前が一番輝きを放っている、ということです。
僕は、みなさんにお会いした時に、この話を思い出していました。
みなさんは本当に輝いており、まぶしかったです。
そして、そんな皆さんに一瞬、惚れ惚れした自分がいました。
それと同時に、恥ずかしくもありました。
人が挑戦している横で、挑戦が終わって鼻くそほじって先輩面している自分がいたからです。
そんな自分に気づかせてくださったのが、あなたがた2024年度1次隊です。
だから僕も挑戦することにしました。
さて、いつか後輩や過去の自分へ伝えたいことがあります。
まず「もし協力隊時代に戻れるとしたら、余暇で何をやる?ベスト3」についてです。
もし協力隊時代に戻れるとしたら、余暇で何をやる?ベスト3
1位 TOEICの勉強
KTCで、余裕かまして英語の勉強せずにバヌアツへ降り立ち、適当なノリで語学を覚えて、まともな英語をしゃべれず帰国しました。後悔していること1位です。
2位 筋トレ
あんだけ暇があったなら、毎日筋トレしていたら、いまごろマッチョになっていたのに、今は腹が出てしょうがありません。
3位 動画編集
2011年に派遣されていたころに、YouTube動画でもアップしていたら、今ころYouTuberとして生計をたてていたのでは・・・とたぬきの皮算用をしております。
先輩風吹かせるのが嫌になって
帰国してしばらくすると、上記を後輩に教えてあげたい!、俺の二の舞いになってほしくない、という想いが強くなりました。
でも結局伝えていませんし、伝えたいと思いたいことはこの次のことです。
派遣直前、自分なりに2年間の過ごし方は考えていきました。
その結果、映画や長編小説を楽しんだり、思い出もいっぱい作りました。
だから、どんなに準備しても、帰国したら後悔はつきものです。
大事なことは、後悔することは、帰国しても十分にできるということです。
僕は今、筋トレして、TOEICの単語帳を勉強して、動画編集ができるようになりました。
これらのことって、任国でしかできないことではないのです。
だからどうぞ、たくさんの後悔はしようが、ご自身がその瞬間瞬間で思ったこと、やりたいことを、好きなだけ堪能してきてください。
僕は後悔がいっぱいあるけれども、一生忘れることのできない思い出という宝物を持ち帰りました。
たくさんの笑い話、悲しい話、嬉しい話、辛い話、があります。これらは、すべてが宝物です。
ぜひ、ネタとして持ち帰ってください。
どんなに写真を撮っても、動画を撮っても、大事な瞬間、忘れられない瞬間というのは、撮れないものです。
仲の良い友人と話しても、同期隊員と話しても、言葉にできない空の色・海の色・山の色・植物の色があります。青い海と碧い海の間には、何百色以上も違う海があることでしょう。
あなただけの思い出をたくさん作ってきてください。
あなたさえ覚えていない思い出もあるはずです。
覚えていようがいまいが、大丈夫です。
あなたの出会った友人が覚えていてくれていますから。
最後にひとつお願いがあります。
必ず生きて帰ってきてください。それが協力隊の仕事です。
再会できる日を楽しみにしております。
Moca
平成21年度3次隊 バヌアツ・村落開発普及員
井口 雄介