恋愛×青年海外協力隊vol.0021

恋愛の話って人に聞きづらいらしい・・・

ふと、現役青年海外協力隊のnoteを見ていたら、「周りの恋愛状況ってどうなんだろう・・・」との言葉があった。意外と周りの状況って気になるのだと知り、自分の可能な範囲で書こうと思った。

可能な範囲というところ、私は既婚しており子どもが2人いるため、配偶者を不快にさせない配慮、ということを理解してもらえると嬉しい。
と言っても、大した話はないので期待はしないでください。

僕は、駒ヶ根訓練所に入所する直前で当時の恋人Aさんと別れた。
別れた理由は、将来結婚することはないだろうと、薄々思っていたのが本音である。そのため、海外在住を経験にお別れすることにしたのである。
Aさんはとても外国語が堪能で、留学経験もあるため、青年海外協力隊応募に応援してくれていた。2次試験の合格通知(当時はネットで公開していなかったのでハガキ通知)が届いた時、苦笑いしながらありったけの笑顔で「おめでとう」と言ってくれたのが印象的だった。

嘘がつけない性格なのだろう。

それから、半年かけて訓練所前に、退職の準備と引っ越しの準備をしていた。ことあるごとに、Aさんは僕の任地に来ることをほのめかした。

そのたびに、僕は心の底からドヨーンとした何かを感じていた。
何か大事なものが侵されているというか、不快な感覚に包まれてしまっていた。
通常であれば、喜ぶべきことかもしれないが、僕にはできなかった。

なんとなく言葉にできない感覚で、一緒に生活することも負担に感じていたこともあり、訓練所に行くことをきっかけにお別れした。

Aさんは納得していなかったが、しょうがない。

バツ3の友人から教わった、「結婚は2人の合意が必要だけど、離婚は片方の意志があればできると奥さんから言われたよ」という言葉が脳裏に焼き付いていたからだ。

誤解なきようAさんに落ち度がないことは伝えておきたい。Aさんはとても優しく美人だった。見知らぬ人から「お相手の方の写真を撮らせてもらえませんか?」と声をかけられたのも一度や二度ではない。

別れる選択の基準は?

ここまで書いて振り返ると、Aさんがどうのこうのではなく、自分自身が青年海外協力隊に対する向き合い方が別れる選択をしたのだと思う。

僕は、青年海外協力隊という、見知らぬ国での生活をきっかけに人生を変えたい、という強い期待感をもっていたからだ。人生を変えるには環境を変えるのが一番だと思うこともあり、海外を選んだ。見知らぬ国で、裸ひとつで自分がどれだけ勝負できるか、挑戦したかった。無論、結果は大敗。逆説的だが人生で大きな挑戦と失敗をできたことが、僕にとっての大きな成功ともいえる体験となった。

だからこそ、帰国して今までと同じ仕事に就くという発想もなく、しがらみをゼロにしておきたかった。正直言うと、恋人とかなんらかしらのしがらみを抱えて、新天地で勝負するほどの余裕がなかったとも言える。僕は器用な人間じゃないから、ゼロの状態にすることでしか、目の前のことに専念できない性分だった。

この性分は、良くも悪くもこのあとの人生に影響してくるのだが、自分は気に入っている。

だから別れるというよりかは、今までの色々なことをリセットして、出国することのひとつに恋人とのお別れが入っていたに過ぎないのだと思う。別れる際には、適当に言い訳をつくろったが、振り返ると自分の未熟さに振り回してしまったことを反省する次第だ。しかし、その決断をした自分を褒めてやりたい。

ひとりひとりの正解があっていいと思う

僕は、現職参加や恋人とのつながりを断つことをすすめたいわけではないことは、改めて言いたい。大事なことは、「自分にとっての正解はどれか?」を自分で問いかけて、その答えを、模範解答にすることが、醍醐味のように思う。

協力隊の2年間は多くの決断をする必要があり、たくさんの失敗をした。正確には、たくさんの失敗をしてもサポートしてくれる環境が整っていたので、大いに失敗をして糧にさせてもらった。
帰国して13年目になる僕は、その2年間で考えていたことを粛々と行い続けている。ウルピフ島の女性起業家支援は、2年の任期では終えることもできなければ、始めることもできなかった。小さな芽だけ植えて、それが少しずつ育って、今でもバヌアツの兄弟と一緒に育てている。

そう考えると、恋人とかのことを考えるよりも、任国の、バヌアツの家族や同僚のことに専念できる環境を整えていたことが自分の模範解答になっただけにしか過ぎない。

あなたは、どのような選択を模範解答にしますか?

追伸1 出国前に既存の携帯電話を解約して、帰国して新たな番号を取得したことは、僕にとって色々な意味で良かったことを追記しておきます。良い子と馬鹿な大人は真似しないでください。

追伸2 任期中、バヌアツに大地震がありました。企画調整さんから「井口さんって妹さんいましたっけ? 在外事務所に井口さんの妹さんから、安否確認の問い合わせがありましたよ」 その妹さんは未だに誰だか不明です・・・僕、男3兄弟ですw