伝わらないことを伝えていく努力が大切_vol.0012

青年海外協力隊の活動って本当に伝わらないことをしみじみと痛感する

先日、ある財団に活動報告に行ってきました。
写真や文字をつかって話すのですが、会話は成り立ちます。私が伝えたいことの10%も伝わっていないことを感じました。
過去の私は、相手の経験値や知識不足が足りないからだと思っていました。相手に知識や経験があれば、伝わるのにと。
でもある時に、その考えが変わる瞬間がありました。

その瞬間とは、同じ青年海外協力隊と話していても、伝わっていないことを実感したからです。

青年海外協力隊の仲間にも、自分の活動が伝わらないジレンマ

今年に入ってから、宮崎県青年海外協力隊の方と交流する機会が増えました。
お互い、協力隊OVということもあり、打ち解け合うのに時間がかかりません。当時自分がどのような活動をしていたかを話し合い、現在どのような仕事をして、どのように青年海外協力隊のことを、還元しているとか、できていないとかを話し合います。

それらのプロセスで実感したのが、
「あれ、自分の活動を説明するが伝わっていないぞ!?」という肌感覚でした。例えば、私は村落開発普及員としてオセアニア地域のバヌアツに行っていました。その内容を、理数科教師のアフリカ地域のガーナに行っていた先輩に話した時に、伝わらないんですよね。

職種も活動地域が違ければ、習慣や文化がまったく違うわけです。だから、説明するときには相手が何かを知っている前提で話すと、噛み合わないわけです。しっかりと、かみくだいて話すことは、相手が誰であろうが話し手の能力とマインドが大切になってきます。

そうはいっても、青年海外協力隊出身者とそうでない人の違いはあります。それは質問の角度や秀逸さです。青年海外協力隊出身者は、「落ち込んだ時どうやって復活していた?」と聞く人に対して、
「現地の人の発言に落ち込んで、現地の人の優しい言葉に救われてきた」などの問答が繰り広げられます。会話がはずむ面白い瞬間です。

絵本から学んだ伝わる工夫

今回の記事を書くにあたり、絵本から気づきをえました。帰国して数年たつと、青年海外協力隊のことが伝わらないから、伝える努力を怠っていました。話しても暖簾に腕押しだからです。でもこのままで本当にいいのかというジレンマがありました。そのような時期に、育児での悩みもありました。子どもの指しゃぶりが直らないのです。100回以上注意して、わさびを塗ったり、絆創膏貼ったりしても直りません。
そんな時に、「ゆびたこ」という絵本があることを知り、読み聞かせしました。すると、読んでる途中から、子どもの指しゃぶりが止んだのです。しかも、じーっと親指を眺めて「ぼく、指しゃぶり止める」と言い始めました。

伝えたいことが伝わった瞬間です。自分自身にも大きな衝撃が走りました。自分はこんなにがんばっているのに、伝わらないのは相手の理解力のせいにしていましたが、そんなことはありません。あの手この手で伝える工夫・努力を続けていれば、いつかは伝わるものです。
特に、絵本のように絵があり、ストーリーがあることで相手の胸に届きます。自分の国際協力、青年海外協力隊活動も、絵本からの学びを活かしたいと思いました。

少しずつですが、こうやって記事にして、写真を載せていけば、きっと誰かに届くと思いながら、気負わずボチボチやっていこうと思います。