発展途上国に、ヤクルトレディをクリエイトするvol.0022

「バヌアツに、ヤクルト売るの?」そう思って、今日も御覧頂いた方、ありがとうございます。ヤクルトレディというのは方便でして、ヤクルトレディのビジネスモデルを発展途上国に導入することで、自分の課題が解決されるという仮説がでてきましたので、当面はこのスタイルをいきたいと思い記事にしました。

ヤクルトレディのビジネスモデル3つの特徴とは?

ヤクルトレディのビジネスモデルは下記3つが挙げられると思います。

1 女性が働ける環境を提供する

2 元手がいらないで開業できる

3 自分の時間で働くことができる


現在、僕が活動するバヌアツ共和国マランパ州のウルピフ島・リッチリッチ村・リンガラック村などでは、雇用の機会がありません。男女関係なくありません。そのため、収入の源泉がないことでの貧困の連鎖・教育水準の低下・保健衛生の周知がいきわたらない、典型的なBOPエリアです。

この貧困対策に、無理なく持続可能な活動をできると思ったのが、ヤクルトレディのビジネスモデルです。
ひとつひとつみていきましょう。

女性が働ける環境を提供する

先進国であろうと、発展途上国であろうと、働きたいと思っている女性は大勢います。しかし、発展途上国では働ける場所が多くはないのが現状です。企業が少ないことで、雇用が創出されないからです。まさに今の日本と真逆ですよね。供給>需要、という構造のもと、人手あまりとなっています。これらの解決の一助として、女性の性質を活かしたビジネスを考えています。

元手がいらないで開業できる

ヤクルトレディさんは、ほとんどの方が個人事業主です。個人事業主というと、開業資金を準備してフリーランスとして働くイメージがあるのですが、ヤクルトレディは、フリーランスとパートさんの中間地点にいます。ヤクルトレディさんが使う資機材は、ヤクルトからレンタルできます。特に、ヤクルトレディのバイクなどが典型例です。あのバイクを買うことは大きな決断が必要です。何十万円・何百万円とするであろう機材を買っても、仕事が合わない場合は、簡単に辞めることができません。

そのような負担とならないように、レンタルとして使用できるので、負担なく仕事を開始することができるのです。設立当初は売れなくても、最低給の保証などもあり、パートさんのような給与体型となっているので、労働時間と給与が関係するので精神的な負担も軽減できます。

働く時間を自分で調整できる

女性が働く場合のTOP3に入る労働条件です。家事・育児・親の介護などと並行しながら働く女性にとっては、融通のきく仕事はとても大事です。1日8時間拘束される労働ができる女性はとても限られています。特にバヌアツでは、保育所や福祉施設などが整備されていないため、女性がその役割を担っています。

働きながらすきま時間で家事・育児・介護をしたり、家事・育児・介護しながらすきま時間で働けるのであれば、持続可能性が高まると考えています。

初期のスタートは冷凍食品販売から行う

ヤクルトレディをクリエイトする、ということを具体化していきたいと思います。

ただ、その前に前提を共有させてください。発展途上国にヤクルトレディをクリエイトする、と言っていますが、ここでは、バヌアツ共和国のマランパ州のウルピフ島を中心としたエリアであることをご理解ください。理由は、発展途上国の課題解決とひとくくりにすることは不可能だからです。

国・地域・宗教・文化など、様々な因子が原因で貧困が発生しているため、世界共通のウルトラCの解決方法などはありえません。ただそうはいっても、解決するための抽象的な対策はあると仮説はたてているので、自分の活動を通じて仮説検証していきたいと思います。

さて、「なぜ、冷凍食品を販売する?」って思いの日本人は多いと思います。理由は、各家庭に冷蔵庫がないからです。日本では学生でも持っている冷蔵庫。バヌアツの現地人は、高くて買えないんです。また、欲しくても数が足りないのです。

そのため、大きな商店でしか冷凍食品は扱っていませんし、鮮度を保って保存するという考え方があまりありません。

鶏肉を食べたければ、生きた鳥を絞めてすぐに食べるか、大きな商店で手羽先の冷凍ものを購入するかの選択となります。

また、このBOPエリアでの冷凍手羽先は首都から仕入れて販売するので、割高で大きな商店が販売しています。

そこに目をつけました。

わたしたちが、首都から直接仕入れて利益をのせて販売する額は、大きな商店より安くすることができることが調査でわかりました。
そのため、市の中心街でしか買えない冷凍手羽先を、家の近くで買えるように、ヤクルトレディを配置するのです。ヤクルトレディというと宅配イメージがありますが、わたしたちはしません。わたしたちは、30世帯くらいの村にひとつ業務用冷蔵庫を設置します。設置は、ヤクルトレディになりたい女性の自宅です。

そのため、冷凍手羽先をわざわざ市の中心部の大きな商店まで買いに行く必要がなくなるのです。また、業務用冷蔵庫の良いところは、チューペットを自家製造販売できることです。ようするに氷も売ることができるので、原価ゼロ円のビジネスが成り立つのです。しかもこの業務用冷蔵庫は、レンタルで使用できるので、そこそこの売上管理ができれば利益から支払うことが可能になっています。

想定されるリスクは?

結構あります。

・レンタルの遅延が発生した場合の回収方法

・売上が低迷した場合の対処方法

・お金の管理ができない場合

・故障した場合

・現地リーダーの育成

・現地リーダーとのコミュニケーション方法

などです。ある程度の解決策はできていますので、やりながら少しずつリスクを減らそうと考えています。

それよりもこの、ヤクルトレディをクリエイトするプロジェクトの良いところは、初期投資と運用コストを抑えていることです。業務用冷蔵庫は、約80万円(業務用冷蔵庫が70万円・輸送費と設置費が10万円)で設置できます。かつソーラーパネルで動く仕様となっていますので、電気代不要のエコです。(このエコも大事なポイントとなるかと!)

BOPビジネスを描く時に、「100件・1,000件設置!!億単位の資金調達でスタートアップせねば!!!」などのビジネスプランができるのが通常です。でもなぜ、そんなに短期で結果を出さなければいけないのでしょうか?

それは、高い本部コストを賄うためです。
ざっくり言うと、高い本部コストとは、このBOPビジネスの責任者の人件費のことです。どうしても、先進国と同額の給料をBOPビジネスで賄わないと、持続可能できないことで、短期で結果を求められ、かつ本部コストが高くなってしまうのです。大企業などのグローバル企業であればそれで良いかと思います。

ただ僕の場合は、個人でも国際協力を続けたい人が継続できるモデルケースをつくりたくてやっています。そのため、小資本で粛々と活動することを前提にしています。そして、できるなら資金調達に時間をかけないでできないかと思ってもいます。(資金調達のさいに、ステークホルダーの方々とのコミュニケーションが大変なので・・・)

そのため、活動を続けるためには、高い本部コスト、すなわち僕の人件費をいかに少なくするかがポイントかと思います。持続可能性を考えると、僕のお給料もここからもらえると高まることは分かっていますが、そこは焦らずボチボチいきます。現段階で、僕は別に仕事をしており生活費は賄えているので、お給料ゼロ円でも、無理のない範囲で活動できています。

そうやって考えると、80万円で1台、業務用冷蔵庫を設置してヤクルトレディをクリエイトできちゃうのは、かなりリーズナブルなBOPビジネスモデルではないかと思っています。どこから資金調達するかなどは、まったくノープランですが、ある程度のカタチができると、伝えることがシンプルになってくる手応えはあります。

本当、この資金調達がひとつの課題です。自分自身の成長のためにも、ここから逃げずに向き合っていこうと思います。

まとめ

ヤクルトレディをクリエイトする、という言葉がでたときに、自分が今までやってきたことと、これからやりたいことが、有機的な結びをし動き始めたような気がしました。きっとこのようにアウトプットしながら、徐々に改変していくことで、よりよいものを創っていけるのではと感じています。

きっとこれ以上の言葉がでてくるだろうことを前提に、これからも模索しながら歩んでいきます。