カウンターパートに腹が立つ自分に凹む×青年海外協力隊vol.0022

写真は、隊員時代のカウンターパートとのツーショット。

異文化コミュニケーションの壁

カウンターパートに腹が立ってしまい、そんな自分に凹んでしまう隊員は多いかと思います。活動を続けて15年、毎月腹立ててます。自分が短気か?!と思うほど、腹が立つのです。

例えば、送ったメールの返信は1ヶ月以上既読スルーされる。電話のアポイントとったのに、バックレるなんて日常茶飯事です。
つい、先週末も、約束していた時間に連絡がとれず、話したいことを伝えられずヤキモキしていたので今回の記事にしてみました。

自分の小ささを知ってさらに凹む

先週の電話の時間をすっぽかされた理由は、葬儀があったからでした。葬儀の責任者を任されていたカウンターパート(以下、セラ)は、首都から実家までご遺体を運んでいたとのこと。(イメージで言うと、東京から宮崎へ運ぶようなくらい大変です)
日本と違い、火葬ではなく土葬なので、ご遺体が必要となります。
それらの状況を知って、自分がすっぽかされたという自分視点だけで判断して、セラを悪者にしていた自分にゲンコツしたくなっちゃいましたw

それに、隊員時代何度もセラやバヌアツ人にすっぽかされたことの背景には、「時間通りに行動する習慣がない」ことも原因のひとつだと気づかされました。
よって、彼らは正確に時間を図る道具を持ち合わせていないことになります。携帯電話をもっていても時刻が合っていないのです。

携帯電話の時間があっていない、この感覚わかる人いますかね?w

日本では考えられないことですが、バヌアツでは当たり前でした。

どんなに時間を合わせても充電が切れれば、時間が初期化。電気がない島の住人は、都度都度、充電屋さんで充電をしてつかいます。だから、常に時間が合っていません。

僕は、この文化というか、暗号というか、状況に気づくまで1年を要しました。

それからというもの、セラとどうやったら合理的に活動を進めるかを試行錯誤した結果、僕のG-SHOCKをあげることにしました。

めちゃくちゃ頑丈ですし、時間も正確です。
それからというもの、セラは時間に遅れることはなくなりました。(活動の残り1年の期間)
まーここ数年は、G-SHOCKが壊れたことと、お互いの活動が曖昧になってきたこともあり、時間にルーズに戻ったのかと推測していました。

そのような背景を知っていても、やはり時間にルーズだったり、約束をすっぽかされることには、腹が立つものです。

「おれ、器が小さいのかな・・・」なんてこともしばしば。
隊員時代は、めちゃくちゃ喜怒哀楽が激しく表出していたので、反省の日々でした。

そして、帰国して日本社会にいる今でも、喜怒哀楽は激しいままです。

誤解なきようお伝えしますが、日本社会では、そこまで喜怒哀楽を表面にだすわけではございませんのでご安心ください。

自分の器を小さく感じる経験こそ、協力隊のありがたさ

喜怒哀楽を出せる場所、機会って日本社会ではないですし、そこまで激しく感情が動かないと思います。そう考えると、任国でこのような経験をできることに感謝できるようになりました。もしかしてカウンターパートがわざと自分の経験値を高めるために、怒らせてるのか、なんてさえ思うこともあるくらいです。(ほぼそんなことはないでしょうが)

僕は喜怒哀楽が激しいことによって、損したことが多いです。そして、激しい怒りの矛先がなく、空を切る体験を死ぬほどした協力隊時代。そのお陰で、怒ることがバカバカしいとも思えるようになりました。
それらもあり、帰国後、
「井口さんが怒っているところを見たことがない」

「井口さんが怒る姿を想像できない」とまで言われるようになりました。

それって、死ぬほど喜怒哀楽を激しく生きた協力隊時代が、仏の境地に連れて行ってくれたのかと・・・。そう考えると、カウンターパートに対して腹が立つ経験に感謝ができるわけです。

カウンターパートに腹が立つ協力隊の人が、この地球上に1人でもいれば、このようにお伝えしたいです。
「あなたと同じ怒りを常に抱えている人が、ここにもいます」と。

怒ること、凹むこと、きっと帰国時の飛行機の中で、すべてを泣きながら笑える瞬間が訪れます。そして、その後も、日本社会でも怒ること、凹むことが多々起きます。

大丈夫です。なんとかなります。
焦らず、Don’t worry,be happy! でいきましょう。